アメリカで歯が痛くなった時の応急処置OTC薬とER

アメリカのスーパーやコンビニですぐに買える、歯痛に使える痛み止めなどについて元薬剤師・元アメリカ薬局勤務の著者が紹介します。痛み止めは応急の対症療法でしかないので、できるだけ早く医療機関にかかりましょう！

歯医者に簡単に行けない時に痛むんですよね

海外にいると、日本で普段起こらないことが急におこったりしますよね。

その中でも、結構困るランキングがあったら上位間違いなしなのが

歯の痛み

ではないでしょうか

恐らくこのページにたどり着いて読んでくださっている方は

アメリカや海外で急に歯がどうしようもなく痛くなったけど、簡単に歯医者に行けない！

という方が多いと思います

軽度虫歯から神経まで言った虫歯、根管治療後の感染による痛みまで経験したので

凄くつらさが分かります・・・

しかも、海外だと（特に旅行や短期だと保険などの関係で）なかなか受診が難しかったり・・・

少しでも痛みを和らげる&海外での不安を軽減できる一助になれば幸いです

こんな時に読んでください

歯が痛いときの原因は、ほぼ歯に原因があるので

（たまに他の原因の場合もあるようです）

歯医者さんに行かなければならないのですが

• 海外旅行中・短期滞在中で保険がないので日本帰国まで待ちたい
• 歯科の保険を持っていない (アメリカでは珍しくない)
• 予約は取れたが、少し先で痛みがつらい (PCPを設定していなくて、処方箋ももらえない)

そんな時ってありますよね

今回はOTC (市販薬、処方箋なしで買うことができる薬) で歯の痛み止めとして使えるものを元薬剤師・元アメリカ薬局職員が紹介します

※薬の服用を促進する目的ではありません

※他に飲んでいる薬がある場合、小児・妊婦・高齢者、考慮すべき体調などがある場合は、薬剤師さんに相談してください

※薬や薬の添加物にアレルギーがある場合は服用しないでください

アメリカで買える痛み止めOTC (鎮痛薬)

アメリカで処方箋なしで買える (スーパー薬局コーナーやコンビニ) 代表的な歯痛に使える痛み止めを書きます

アメリカではOTCや一部のヘルスケアアイテムに対してHSA*が使えます。

*HSAはアメリカの勤務先によるベネフィットの一つです。通常本人だけでなく家族にも使えます。お給料から毎回決まった額を天引きしてHSA口座に積み立てます。HSAをヘルスケアなど所定の目的で使う限り、税金がかかりません。これにより、手取りの所得を減らす = 節税になります。

もし勤め先からHSAのオプションがある場合は、レジで精算する際に先にHSAカードを通しましょう！

(忘れた場合はあとから会社にクレームを送る必要があります)

以下の記事はWegmansの場合ですが、Walmartセルフレジでも同様に使えたことを確認しています★

NSAIDs (エヌセイズ) – 解熱鎮痛薬

プロスタグランジンという、生理活性物質をつくる酵素であるシクロオキシゲナーゼ (COX) を阻害するお薬です。

プロスタグランジンには様々な種類があり、それぞれ働きがあります。

様々な働きの一つに炎症や痛み、発熱に関与するものがあるので、これを作らなくさせることで解熱鎮痛作用を発揮します。

歯痛のほかに頭痛や生理痛、関節痛などにも効きます

一部の薬は外用薬としても処方・販売されています

ibuprofen (アイブプロフェン)

アメリカでのブランド名はAdvil (アドヴィル) です

日本ではEVE (イヴ)、 バファリンプレミアム (アセトアミノフェンとの配合剤) やバファリンi (アセトアミノフェンとの配合錠) などとして知られています。

多くの剤型、ジェネリックが出ています。

アメリカの大手キャッシュバックサイトibottaでも、

痛み止めはたまにクーポンが出るのでチェックしてみてください

↓初めてibottaを使う方は、以下のリンクまたはコード　LDXLQHR　でウェルカムキャッシュバックが追加でもらえますのでぜひ使ってくださいね

アメリカの市販 (OTC) のイブプロフェンは一錠200mgです。

日本では例えばEVEは一錠中イブプロフェン75 mg (成人で一回用量150mg) なのでやや高用量です。

Advilには錠剤とリキジェル（液体ジェルが入っていて錠剤より聞くのが早いとされる）があります

Naproxen (ナプロキセン)

アメリカのブランド名はAleve (アリーヴ) です

日本ではOTCとしての販売はなかったと思います。

OTCの用量は220mgです。

特徴としては一錠で効果が12時間持続すること。

NSAIDsの注意点

プロスタグランジンの他の作用で胃粘膜の保護があるため、副作用として胃の不快感などのい障害が出ることがあります (消化管潰瘍のある方は服用できません)。

また、このグループの薬でまれに喘息症状がおこることがあります（アスピリン喘息）。

妊娠後期には服用できません (妊婦さんは医師薬剤師に相談)

アメリカでは買えないNSAIDs

日本で人気（？）のロキソニン (一般名ロキソプロフェン) はアメリカでは使われていません

薬局内でも、スーパーなどのOTCコーナーでも見たことがないです

グループとしてはイブプロフェンやナプロキセン、アスピリンと同じですが

効果発現がやや早いといわれています

ロキソニンは日本の薬局で働いていた時も指名買いが多かったので、

もしロキソニンがいい！という方は、アメリカに来る際には持ってくることをお勧めします。

acetaminophen (アセタミノフェン)

アメリカでの商品名はTylenol (タイレノール) で、かなり人気（？）のお薬です

日本ではカロナールをはじめ、色々な風邪薬や解熱鎮痛剤に入っています

NSAIDsとは異なる機序で痛みを和らげ、解熱作用を持ちます

様々な剤型があります。

個人的にレギュラー錠剤は大きくて、割らないと飲めません・・・が

小さめの錠剤やリキッドタイプ、溶かして飲むタイプもあります。 (主に小児用として売られています・・・)

こちらも各社からジェネリックが沢山出ています

比較的安全性の高いお薬ですがまれに肝障害や胃腸障害が出ます。

解熱鎮痛薬の名前についてる”PM”とは?

Advil, Aleve, Tylenolすべてに共通して“PM”が商品名につくものには

ジフェンヒドラミン (抗ヒスタミン剤) が含まれていて、眠気を起こします

(パッケージにはSleep-aidなどと書かれています。痛みで寝づらいときに試してみるといいかもしれません。精神系睡眠薬ではないので依存性などはありません)。

歯や口腔内の痛みを紛わすお薬 (表面麻酔薬)

アメリカのOTCコーナーには、歯や口腔内の痛みを紛わすジェルが売っています

これは表面麻酔薬です (麻と付きますが麻薬とは違います・・・)

これを患部 (歯や歯茎) に塗ると

歯医者さんで局所麻酔 (ローカル注射) を使う前の局麻 (トピカル、綿棒などで塗布) と同じかんじでnumbになり、痛みを感じにくくなります

ただし、効果があまり持続しないのと

神経まで行っているときや根管治療後の再感染の痛みには全然効きませんでした (個人的には)

（おそらく痛みが強いのと、深いところだから？）

キーン、チクっ程度の虫歯の応急処置としては良いかもしれませんが

ガチの痛みの時には個人的には内服の痛み止めのほうがいいかなと思います

因みに私が使ったことがあるのは 3X extra strength

こちらもジェネリックが色々でています

神経まで行った歯の痛みはどんな痛み

虫歯が神経まで行くと、めちゃくちゃ痛いです

信じられないような痛みで、とにかくつらい

ズキズキズンズンガンガンと

キーンという鋭い痛み、というよりは、図太い痛みなきがします (鋭い痛みんコンボもあり)

この痛みまで行っている虫歯は、自然治癒は1000%ありえないので

即歯医者さんに行きましょう。いけるときは。

根管治療が必要 = アメリカの歯科保険をチェック

保険に入っている場合は、歯医者さんに保険が効くかどうか確認してもらいましょう

（自分で保険会社に聞くこともできますが、私の時はX線写真とかいろいろ見ないと回答しかねるといわれました）

※痛みの原因が親知らずの場合は、抜くことになると思います。

私は歯科保険が凄くよくて、ルートカナルもクラウンもcopayなしでしたが

結局↓の通り、再感染で専門医 (endodontistという根管治療専門の歯医者さん) にかかることになり

恐らく$1700くらいかかります (とりあえずの自費で、保険にクレームを送ってどれくらいカバーされるかは分かりません)

数日すると急に痛みが消えることがありますが

これはよくなったのではなく、神経が死んだということらしいです（チーン

根管 (ルートカナル) 治療後の再感染の痛みはどんな痛み

上記の通り、神経まで行く虫歯はかなり痛いのですが

この治療後の再感染の痛みは個人的にさらにつらかったです

はじめは、あれ歯が痛いかも・・・

という感じだったのですが

それから1-2日で歯茎が腫れて、それに伴い激痛

波のある痛みではなく、四六時中痛いのがつらかったです

神経の痛みはわりと上記の痛み止めでコントロールできたのですが

この痛みは、薬を飲むとマシになる程度でした

そして、イブプロフェンとかは30分おきくらいに痛みが戻ってきて

本当につらかったです・・・

痛みを感じ始めたのが金曜の夕方で

月曜まで歯医者を待って、火曜日に歯医者に朝一で行ったのですが

結局ER行きになりました（抗生物質の点滴が必要だったため）

なので、同じような状況の人は歯医者さんを待たずにERに行った方がいいかもしれません

（念のため歯医者には連絡する）

こちらもありがたいことにcopayはなかったのですが

詳細が手に入ったら、保険なしだといくらかかるのか書きたいと思います。

↓自分のための記録もかねてnoteに書いてました

抗生物質の点滴と内服の一週間弱で痛みと外見の腫れはだいぶ落ち着きますが

歯茎の腫れはまだ少し残っています

この場合、腫れが引いてから外科処置として

歯茎を少し切って歯の根元の感染組織を取り除き、薬を詰めるのが必要になるそうです。

イサカの歯医者

イサカの保険の効く歯医者さん、

正直私の通っているところの歯科医の腕はあまりよくないです。

小さいころから歯医者さんにはあまり運がないのですが

今回のところが良い腕の先生だといいな・・・

保険は効くけど腕はあまりよくないイサカの歯医者さん（クリーニングはとても良いです）を

教えることができますので、腕の悪い歯科医に当たらないように気を付けたい場合はメッセージ下さい（笑）

繰り返しますが、クリーニングは人生で一番気持ちよかったです。

あと、多分軽度の虫歯なら問題ないと思います。処置はとても速いです。

そして保険が効くのはやはり大きいです。

重度の虫歯の治療にはお勧めしません。

歯痛に関する英語

• toothache, tooth pain 歯痛
• painkiller, pain relief 痛み止め (医学的に鎮痛剤はanalgestic)
• gum 歯茎
• rootcanal 根管治療
• apicoectomy 根尖切除術
• endodontist 根管治療専門医
• topical (anesthesia) 表面麻酔
• i.v. (intra venous) 静脈注射（点滴）
• ER (emergency room) 救急
• antibiotics 抗生物質

まとめ

• 歯が痛くなったらいけるときは歯医者に行きましょう
• 海外で痛くなり、すぐの受診が難しい場合は痛み止めで応急処置 (やばいと思ったら我慢せずにER)
• 根管治療歴がある歯がすさまじく痛む場合はER
• アメリカで手に入りやすいのはAdvil (ibuprofen アイブプロフェン), Aleve (Naproxen ナプロキセン), Tylenol (acetaminophen アセタミノフェン)
• ジェルタイプは神経に行った痛みや根管治療後の再感染の痛みにはほぼ効果なし

歯の痛みは本当につらいですよね

お大事に